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本年度の研究室紹介

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情報通信工学に興味を持ったきっかけ

学生のころから真空管ラジオの製作やアマチュア無線に興味がありました。大学に入ったころ、ちょうど光ファイバの実用化に成功した時期で、光を使った高速通信の実現に夢を抱きました。民間企業に就職してからは、光LAN(local area network)のハードウェアの開発に携わることができ、コンピュータネットワークに興味をもつようになりました。

電力線通信に取り組んだきっかけ

大学に戻った時、出会った研究テーマがスペクトル拡散技術です。その当時(今もそうですが)、携帯電話用にスペクトル拡散技術の研究開発が盛んに行われていましたが、後発の私としては、キャッチアップするのは大変だろうと判断し、研究の対象を携帯電話ではなくて家庭内の電力線にしました。下記のように電力線は劣悪な伝送条件ですが、スペクトル拡散技術はそれを克服する、優れた要素技術のひとつです。

電力線は家庭内のどこにでもある線路ですから、電力供給だけでなく情報も送ることができれば、非常に合理的です。特に、家庭では、オフィスと違って、ネットワーク用の配線を新規にするのは疎まれるますし(配線するために壁に穴を開けるのはいろいろ大変)、パソコン周辺の配線がくもの巣になって掃除が大変とぼやかれることが多いはずです。電力線通信が実現できれば、新規工事は不要ですし、配線は給電用のACコードだけで済みます。このような魅力のため、従来から電力線通信の開発は行われていたのですが、なかなか実用化されませんでした。

ホームネットワークの今後の展望と電力線通信

能率最優先のオフィスでのネットワークと、居住空間である家庭内のネットワークとでは、今はあまり差はありませんが、今後は異なった進化をたどると考えてます。 ホームネットワークのキーワードは”やさしさ”です。

操作がやさしい、ネットワーク構築がやさしい

子供から老人まで簡単に操作できる・構築できる。さらなるプラクアンドプレイ化、ユニーバーサルデザイン化、あるいはアプライアンス化(機能限定、操作性重視)。ネットワークとの接続や離脱がやさしい。どの部屋でもつかえる。操作を学習しやすい。

財布にやさしい

廉価であること。寿命が長いこと。

環境にやさしい

省エネ(端末やネットワーク装置。ホームネットワーク導入によって省エネ効果を生み出す)。電磁環境をよりクリーンに(機器同士の誤動作防止、生態への影響)。次々と新しいハードウェアを導入しないと維持できない、というのはまずい。

やさしいサービス

ホームセキュリティ向上による安心。老人介護やライフサポート、QoL(quality of life)向上。アミューズメントやエンターテイメント的な利用。サービスの自動発見(ディレクトリサービス)。サイバー空間と実生活空間とのマッチングが簡単。

こうしたネットワークを実現しようとすると、おのずと、ホームネットワークと称されている現在のネットワーク、つまりADSLモデムから無線あるいはイーサネットでPCを接続するネットワーク、はごく一部でしかないことに気が付きます。PCだけでなく、家中のありとあらゆる電気製品や、住宅設備(照明、給湯、ガス、水道、etc)はすべてネットワークにつながって、コントロールできたり、いろいろなサービスを提供できるようになっていく必要があります。

私事ですが、先般、ボタンひとつで風呂の湯はりと自動保温ができる給湯器を導入しました。ボタンひとつですから、送っている情報量は非常に少ないですが、ちょっとリッチな気分を味わっています。ガレージの開閉用リモコンも同じです。ホームネットワークの本質は、こうしたもので、高速の通信ができればいいといったことだけではないようです。

100ボルトのコンセントにつながっている機器は、すべて電力線通信で収容できれば、それにこしたことはないでしょうが、適材適所で、各種通信手段が住み分けていくようになることでしょう。高速な通信速度を要求する高品質動画像は光ファイバで、バッテリで動くものは無線でと、いった具合です。電力線通信でカバーできるのは、せいぜい数10Mbpsまでだろうと思っていますが、数bpsのものから数10Mbpsまでシームレスにつながることが特長といえます。

学生さんに望むこと

学生時代に一生懸命やったことは、あとに残ります。卒業研究を私といっしょに一生懸命やってみませんか?!

高校生の研究室訪問

随時歓迎です。Email等で連絡してください。例はあまりないですが、遊びにきてくれた高校生がいました。ひとしきり、コンピュータやインターネットの話をして帰りました。

お問い合わせ

愛媛大学工学部
電気電子工学科
通信システム工学研究室

〒790-8577
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