研究

LPWAと機械学習を用いた舶用航行安全支援装置の開発

我が国の周辺では,毎年2,000隻以上の船舶が絡む海難事故が発生しています.このうち7割以上を占めるのは,なんと小型船です.船舶事故を効果的に減少させるうえで,この小型船に対する安全対策は,可及的速やかに進めるべき課題となっています.さて船で海を走る場合,いったい何を頼りにして船乗りの方々は操舵しているのでしょう?彼らは操舵の傍らレーダを見たり,AIS(Automatic Identification System - 船舶自動識別装置)やARPA(Automatic Radar Plotting Aids - 自動衝突予防援助装置)と呼ばれる専用の支援設備を確認することで意思決定を行っています.ただ,AISは500トン以下の船舶に対しては搭載義務が無く,問題となる小型船を察知することは容易ではありません.また,ARPAは船舶の動きに対する追従性と精度が比較的低いという特性が指摘されています.我々のグループでは,これらの問題解決に取り組み,LoRa無線とAIS電波用ディジタルチューナを核とし,これに自他船舶の航路予測技術を組み合わせた,AISと同等の性能で,より安価で導入しやすいシステムの構築と普及を目指しています.

エッジコンピューティングを活用した高齢者見守りシステムの構築

に 先進国の中でもずば抜けて高齢化が著しく進行する日本では,独居世帯や老老介護といった問題,またデイケアサービスや特養老人ホームの需要と,それに対する供給バランスの不均衡化が顕在化しています.さらにこれと連動する形で少子高齢化と労働人口減少が同時進行しており,福祉・介護やデイケアといった介護現場では,介護人材の充足が喫緊課題となっています.このような状況の中で,いわゆる見守りシステムが長きに渡り注目されています.既存技術として,介護者の代わりにロボットを用いることでコミュニケーションを図る,または「癒し」を与えて日常生活を穏やかにするロボット技術,着用型の呼吸センサなどを用いたバイタルセンシング技術,加速度センサなどのモーションセンサやカメラを活用した転倒検出システムなどの要素技術が開発されており,その需要と重要度は年々高まりを見せています.このようなおのおのの技術は,IoT,AI,ロボット工学により支えられており,これら基本技術は見守りシステムと高い親和性を持っているものと考えられます.我々のグループでは,明石工業高等専門学校,津山工業高等専門学校,新居浜工業高等専門学校,香川高等専門学校高松キャンパス,小野病院と連携し,パワーアシスト技術や非侵襲測定技術などを駆使した見守り・介護システムの構築検討を行っています。特に我々のグループでは,エッヂコンピュータと深層学習を組み合わせた家電利用状況管理システム,さらにエッヂコンピュータに深層強化学習を搭載した小型自律式見守りロボットの開発を進めています。

機械学習を用いた汎用移動型農業ロボットにおける自律制御システムの構築

近年の日本は,農業分野においても高齢化と人手不足が急激に進んでおり,農作業の省力化と生産性の向上に関する技術が必要不可欠な状況にまで追い込まれています.このような背景から,農業分野に対するロボットの導入が積極的に進められています.我々のグループでは,津山工業高等専門学校,IKOMAロボテック,香川高等専門学校高松キャンパスと連携し,汎用車両型ロボットを基礎とした除草ロボットに関する研究を行っています.一概に除草ロボットと述べてもその範囲は広大かつ複雑であり,水田内や畦畔の除草,中山間地の法面の草刈等,ロボット自身が作業環境や目的に応じて行動戦略を自律的に選択・遂行する能力が求められています.特に当グループでは,このうち自律走行を行うためのフレームワークについて検討しています。深層学習を情報処理機構へ積極的に活用したセンサシステム,強化学習を基本とした行動制御アルゴリズムを開発する事により,非整備環境下でも独自の規範に沿い精密な作業を遂行する農業ロボットの開発と普及を目指しています。

LoRaとISOBUSを用いた汎用移動型農業群ロボットにおけるロボット間-遠隔端末間通信機構の開発

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